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by silky_wing

日本型「都市間競争」

最近、「都市間競争」という言葉が良く使われる。しかし、以前、研究会である先生が、「「都市間競争」というのはアメリカの企業城下町を前提としたモデルであり、日本で使われるのには違和感がある」というようなことを言っていた。一部の職種を除けば外部労働市場がほとんどないといってもよい日本においては、確かにティボー・モデル的な「都市間競争」というのはありえないのかもしれない。

しかしながら、「都市間競争」という言葉が実感として当てはまる地域もある。大都市圏のベッドタウンにあたる都市である。確かに、近年先進的な施策を打ち出している市町村には、こうした地域が多い印象はある(※)。一例だけ挙げると、先進自治体として名高い横須賀市では、都市政策研究所設立の背景として「都市間競争」をあげているほか、各種行政計画においても、この言葉は多用されている。
竹内英樹「横須賀市の経営戦略―政策形成能力向上による新たな行政運営の展開―」

私の友人は、子供を通わせていた公立の保育所が直営から民間委託に移行することとなった際、保母さんが経験の浅い方に変わってしまうため、別の市(区)に引越した。住んでた地域の公立の保育所が良くなかったために引っ越すというのは、どうもよくある話のようである。

ちなみに、僕の実家は埼玉県の某市にあるのだが、たまたまそこの市長さんとお話する機会があって、今は実家から離れているという話をしたら、「帰ってきたくなるようなまちにしますから。」と言われてしまい困ったこともある(市長さん、ごめんなさい)。

首都圏に限っていえば、人口流入は既に止まっており、高齢化が着実に進行している。地価の下落に伴い都心居住も進んできていることから、首都圏では、限られた人口、とりわけ小さい子供のいる家族を「奪い合う」形になっている状況になっている。連坦している大都市圏での間で「都市間競争」というのも奇妙な言い方かもしれないが、「自治体間競争」は確実に存在しているといえるだろう。

参考:朝日社説「子育て支援 江戸川区のふしぎ」

※この仮説を検証するには、日経産業消費研究所が発表している「行政革新度」の総合偏差値(『全国市区の行政比較調査』)を一つの指標にして、これを人口規模と三大都市圏かどうかのダミー変数で分散分析をすれば、統計的に証明できる。昔の自分なら実際にデータを打ち込んで、SPSSで分析したかもしれない。しかし、逆に当事者に近い立場になると、こうしたアプローチはできないものである。研究者としては正しくないのかもしれないが、今の自分はそれでいいと思っている。

※※三日坊主になるのがイヤで、今日も書きました。私が敬愛するある行政学の先生(でもキャラは大阪商人)も「研究者は話を聞くのが7割、文献が3割。あと毎日一定量の文章を書くことが大事。」と仰ってたし、それに何より書いてて楽しいし。
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by silky_wing | 2005-05-17 23:38 | 研究